★ページの説明・概要
JobAutoでロボットを開発・運用するときの推奨ルールを、命名規則、変数管理、アクションフロー、エラー対応、メンテナンスの観点から紹介します。
ロボットは作成して終わりではなく、業務変更への対応やほかの担当者への引き継ぎも必要です。最初に共通のルールを決めておくと、処理内容を把握しやすくなり、修正や運用の負担を減らせます。
ここで紹介する内容はJobAutoの必須設定ではなく、開発・運用のための推奨ルールです。業務の性質や組織の運用方法に合わせて調整してください。
1.パラメータをロボットの外で管理する
入力ファイルの保存先、出力フォルダ、対象システムのURLなど、運用中に変更される可能性がある値は、ロボットのアクションへ直接記述せずに管理することをおすすめします。
たとえば「日報作成作業_マスタ.xlsx」というExcelファイルに設定値をまとめ、ロボット起動時に読み込む方法があります。運用規模に応じて、データベースや組織で定めた設定管理方法を使用することもできます。
| 管理する項目 | 例 |
|---|---|
| 設定ファイル | 日報作成作業_マスタ.xlsx |
| 入力ファイルの保存先 | C:\日報作成作業\入力 |
| 出力ファイルの保存先 | C:\日報作成作業\出力 |
| 対象システムのURL | 設定ファイルから読み込む |
ただし、パスワードなどの認証情報は、アクセス制限のないExcelファイルへ平文で保存しないようにしてください。JobAutoのパスワード変数など、利用環境に合った安全な管理方法を選びます。
2.プロジェクト・ロボット・変数の命名規則を統一する
2-1.プロジェクト名・フォルダ名
プロジェクト名や設定ファイルを置くフォルダ名は、業務名から判断できるよう統一します。
- プロジェクト名:
日報作成作業 - パラメータ用フォルダ:
C:\日報作成作業\パラメータ - ロボットの出力用フォルダ:
C:\日報作成作業\ロボット
命名ルールを決めると、ロボットに関連するファイルや設定の場所を、ほかの担当者も見つけやすくなります。
2-2.ロボット名
ロボット名は「3桁の処理順序+業務内容」の形式にすると、複数のロボットを順番に実行する業務でも役割が分かりやすくなります。
例として、最初は 010-Aダウンロード と 020-Bメール送信 の2本とし、間に処理が増えた場合は 011-Cファイル加工 を追加できます。
| 番号 | ロボット名 | 処理 |
|---|---|---|
| 010 | 010-Aダウンロード | ファイルをダウンロード |
| 011 | 011-Cファイル加工 | 追加した加工処理 |
| 020 | 020-Bメール送信 | メールを送信 |
最初の番号は10刻みなど間隔を空けておき、途中に処理を追加できるようにします。番号は 010・020 のように3桁で統一します。この番号はロボットの実行順序を自動制御する設定ではありません。実際の実行順序や前後の処理条件はスケジュール・ロボットの構成で管理してください。
2-3.変数グループ名・変数名
変数名には、業務担当者が値の意味を判断できる名前を付けます。たとえば画面上の「契約番号」を取得する変数は「契約番号」とし、取得元のラベルやExcelの列名と対応させると理解しやすくなります。
日本語の変数名は業務内容を表現しやすい一例です。既存の開発基準がある場合は、その命名規則に統一してください。
3.保守しやすいアクションフローを作成する
3-1.1つの変数に複数の役割を持たせない
1つの変数を別の用途に繰り返し使うと、処理の途中で値が変化し、後から意味を追いにくくなります。取得した値、判定結果、出力用の値など、役割ごとに変数を用意することをおすすめします。
3-2.初期化対象の変数をグループで管理する
処理のたびに初期化する変数は専用の変数グループへまとめると、まとめて初期化しやすくなります。JobAutoの「変数グループ初期化」アクションを使用する場合は、初期化してよい変数だけを同じグループに所属させてください。
詳しくは変数グループを初期化する方法をご確認ください。
3-3.固定値や設定値を専用グループへまとめる
システムのURL、フォルダパス、出力ファイル名など、決まった値を使用する変数は専用グループで管理します。業務データや処理の途中で一時的に使用する値とは分けておくと、設定変更の影響範囲を把握しやすくなります。
3-4.ブランチとコメントで処理を区切る
処理のまとまりごとにブランチを分け、先頭に処理内容の分かるブックマークやコメントを付けておくと、フローを見返すときに便利です。
たとえば「ファイル名生成 → ファイルをコピー → 元ファイルを削除」は、ファイル移動に相当する処理としてひとまとまりにできます。
操作方法:ブランチを追加する/ブランチを削除する/ブックマークを設置する。
3-5.作業単位でロボットを分割する
1本のロボットに多くの業務工程を詰め込むのではなく、処理の目的ごとに分割することを検討します。たとえば郵便番号のダウンロードとメール送信を分けておけば、途中にファイル加工を追加しやすくなります。
010-郵便番号をダウンロード011-郵便番号ファイルを加工020-郵便番号ファイルをメール送信
分割したロボットの前後関係は必ず管理してください。 ファイルの存在だけでは正常終了を判断できない場合があるため、必要に応じて処理完了を示す情報や実行結果も確認します。また、小さく分割しすぎるとスケジュール・引数の管理が増えるため、適切な業務単位を選びます。
3-6.使わない変数・アクションを整理する
ロボットの完成後は未使用の変数や不要なアクションを確認し、必要なものだけを残します。削除する前に、ほかのアクションや共通処理から使用されていないか確認してください。
関連マニュアル:変数の追加・作成/変数の削除/アクションの編集・削除。
3-7.アクションのグループ化・引数の説明・アクション名
アクションフローが長い場合は、関連する処理をグループ化して見やすくします。また、アクション名は「値の入力:今日の日付」のように、実際の処理内容が分かる表現にします。
引数を使用するロボットでは、ROBOWEBのスケジュール概要などに引数の意味や指定例を記載しておくと、運用担当者が設定を確認しやすくなります。
操作方法:アクションのグループ化と解除/スケジュールの引数設定。
4.ロボットを安定して動かすための注意点
4-1.アプリ操作では安定したマッチング方法を選ぶ
アプリ操作では、要素マッチングで操作対象を指定できる場合は優先して検討します。要素の取得が難しい場合は文字マッチングや画像マッチングも選択肢です。
画像マッチングは画面サイズや表示倍率、画像の変化などの影響を受ける場合があります。対象システムに適した方式を選び、実際の実行環境で動作確認してください。
4-2.Excelの強制終了は必要な場合に限定する
Excelのブックインデックスがずれる原因の一つに、想定外のExcelブックが開いていることがあります。実行環境を整理する方法として、JobAutoにはExcelを強制終了するアクションがあります。
ただし、Excelの強制終了を毎回必須の前処理にはしないでください。ほかの担当者が編集中のブックや未保存の変更内容に影響するおそれがあります。まずは開いているブックを確認し、必要に応じてブック名で操作対象を指定する方法を検討します。
どうしても強制終了が必要な場合は、専用の実行PCなどで対象と影響範囲を確認してから使用してください。操作方法:Excelを強制終了する方法。
4-3.ログに処理状況・確認に必要な情報を残す
スケジュール実行の結果を調べられるように、重要な処理の開始・終了、対象件数、業務上の識別情報、エラー発生時の状況などをログへ残すことを検討します。登録処理の前後の画面を記録しておくと、あとから処理結果を確認する助けになります。
ただし、ログやスクリーンショットには個人情報・パスワード・業務データが含まれることがあります。不要な情報を記録しないようにし、閲覧権限と保存期間にも注意してください。操作方法:ログ出力アクション。
4-4.業務への影響が大きいエラーを優先して対策する
すべてのアクションで想定し得るエラーを完全に洗い出すことは困難です。開発時には、二重送信・重複登録・誤更新・未処理のまま正常終了と判断するケースなど、影響の大きい失敗を優先して確認します。
運用開始後に発生したエラーは原因を記録し、必要な対応や通知を追加して改善します。JobAutoのエラー時の処理についてはエラー発生時の処理設定をご確認ください。
4-5.再実行(リトライ)の条件を決めておく
一時的な通信エラーなどが発生した場合のために、再実行に必要な確認事項や復旧手順を決めておきます。ROBOWEBのスケジュール概要や運用手順書へ記載しておくと、担当者が変わった場合にも対応しやすくなります。
登録・メール送信などを含む処理では、前回どこまで完了したかを確認せず、最初から再実行しないようにしてください。重複処理を避けるため、処理済みデータの判定や再実行位置の管理を検討します。
5.メンテナンスの負担を減らすために
5-1.後から処理を追える大きさに分ける
ロボットを小さな業務単位へ分けておくと、問題が発生したときの影響範囲を限定しやすくなります。ただし、分割する単位は処理の独立性や実行順序を考慮し、前後の受け渡しが煩雑にならないようにしてください。
5-2.業務の結果を変えずにフローを単純化する
人が操作する順序をそのままロボットへ置き換えると、条件分岐が多くなる場合があります。業務上必要な条件を確認したうえで、判定の位置や処理順序を整理すると、フローを読みやすくできます。
たとえばExcelに「伝票」と「商品」が複数行で記載されている場合、どのタイミングで伝票を確定するかによって条件分岐の数が変わります。ただし、伝票単位で確定する必要がある業務を、行ごとの確定に変更してはいけません。二重登録やデータ不整合を起こさないことを優先してください。
5-3.開発時と引き継ぎ時の確認事項を共通化する
- ロボット・変数・フォルダの命名規則が統一されているか
- 入力・出力ファイルやパラメータの保管場所が分かるか
- ブランチ名、アクション名、コメントから処理内容を理解できるか
- 前後のロボットの実行順序と完了条件が明確か
- 業務への影響が大きいエラーと再実行手順が整理されているか
- 本番環境で操作対象・ログ出力・実行結果を確認済みか
これらのルールをすべて採用する必要はありません。開発者や運用担当者が同じ基準で確認できるよう、業務に合ったルールを文書化して運用してください。
関連するマニュアル・学習コンテンツ
このページはJobAutoのロボット設計・運用の考え方をまとめたナレッジです。個別機能の設定方法については各マニュアル、学習手順については学習コンテンツをご確認ください。
